台湾語と中国語の違いとは

わたしのところに「台湾語と中国語の違いは何ですか?」「そもそも台湾語と中国語って違うんですか?」「台湾が好きなんですけど台湾語と中国語どちらを勉強したらいいんですか?」という質問がよくきます。

 

台湾語

 

ある程度は答えていたんですが、今回は台湾に住む台湾人にさらに詳しく聞いてみました。わたしもなるほどと思ったのでシェアします。

 

これは歴史のイタズラなのかもしれないと思いました。台湾ならではの歴史が今の言語状況をつくっているのです。

台湾語と中国語の違いを歴史から紐解く

台湾の空港やMRT(地下鉄)の公共機関では場所にもよりますが4カ国語放送です。

 

中国語(普通話/北京語)
台湾語(閩南語)
客家語
英語

 

台湾で中国語のことを国語(guoyu)と台湾人は呼びます。そしてこの国語は中国語の普通話のことです。中国大陸の普通話と文法は同じですが台湾訛りがあります。なのですぐに台湾人だなとわかります。語尾も台湾独特の言い方があります。接尾語なので文法はほとんど同じです。この記事では国語や普通話というと紛らわしいので中国語と言うようにします。

 

台湾の小学校や中学校など授業では中国語で勉強します。なのでほとんど台湾人は中国語で話すことができます。

 

台南駅

 

では台湾語って何のこと?って多くの人が疑問に思うと思います。日本は日本という1つの国に日本語しかありません。方言はいろいろあるけどそれも日本語です。

 

台湾語を考えるにあたり台湾の歴史を見る必要があります。歴史を見ていきますがここでは政治は語りません。別のサイトで語ってください。

 

台湾語

台湾は福建省から多くの人が渡ってきました。その昔、福建省と交易をし文化圏をつくっていました。日本の江戸時代の話です。なので歴史を紐解いていくと福建省の福建語から閩南語が派生し閩南語が台湾閩南語となり台湾語となったと考えるとスムーズです。

 

客家語

この時代から台湾には少数民族が暮らしていています。アミ族はアミ語を話しています。清の時代に台湾に移り住んだ人は客家語を話して暮らしました。この人たちが今もなお客家語を話しています。

 

中国語

時代は明治になり日本語を使う期間が50年間ありました。このときは台湾でも日本語で授業が行われました。50年という長い期間日本語でものごとを考える人が増えました。小説家など今も日本語を大事にしている人もいます。昭和20年移行は中国語で授業が行われました。現在も中国語で行われているので台湾ではみんな中国語を話し中国語で会話しているんです。

地域による台湾語と中国語のスタイル

地域別

 

台湾南部


台湾南部では今でも家庭で台湾語を話しています。家族とは台湾語、授業は中国語です。なので両方話すことができる人が今も多くいます。

 

台湾北部


台北を中心とした台湾北部では台湾語を話す機会が少なくなり、若い人の中には台湾語を話せない人も多くなってきました。台湾人の友達の話では半分以上は話せないんじゃないかなと言っていました。聞き取れても話せない人も多いそうです。

台湾語と中国語の発音は似ているのか

発音

 

中国語と台湾語


これを発音が似ていると思ったらいけません。中国語ができるわたしも台湾語はさっぱりわかりません。日本語と韓国語くらい違うんじゃないかと思います。

 

福建語と閩南語と台湾語


台湾語を閩南語ということもあります。これは方言のように似ていると台湾語を話す台湾人も言っていました。おじいちゃんが福建省出身の福建語を話すマレーシア人も台湾で会話ができると言っていました。

台湾語と中国語どちらを勉強したほうがいいのか

まとめ
台湾に興味があってゼロから勉強するなら中国語です。おすすめというよりも王道です。

 

台湾南部に限定して家庭で話す言葉を勉強したいなら台湾語です。台湾人と結婚しておじいちゃんおばあちゃんと台南で暮らそうと思えば必要かもしれません。

 

台南

 

中国語をマスターしてその次に台湾語を勉強するのはアリだと思います。台湾語は台湾語でおもしろい発音や文化を持っているから。

 

これからゼロから勉強する人はまずは中国語から始めることをおすすめします。中国語を話すようになると台湾で友達がどんどん増えていきます。台湾に行く機会があったら空港や地下鉄のアナウンスをじっくり聞いてみてくださいね。

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